2005年10月27日木曜日

大手新聞社が相次ぎポッドキャスト開始

大手新聞社が相次いでインターネットで音声のニュース番組を配信する「ポッドキャスティング」を始めている。日本経済新聞社、毎日新聞社に続いて、読売新聞社も24日に約20分の番組を配信する「読売ニュースポッドキャスト」を開始した。アップルコンピュータ日本法人が集計しているポッドキャストの人気ランキングによると、26日夕の時点では「日経ブロードバンドニュース」が1位、「毎日新聞ポッドキャスト」も22位に入るなどニュース番組が人気を集めている。









「新聞を読まない若者にまず耳から入り、社説やコラムにも触れてもらいたい」――。コンテンツ(情報の内容)配信のオービチューン(東京・新宿)が26日、アップルストア銀座(東京・中央)で開催したポッドキャストセミナーに読売新聞社の担当者が出席し、「読売ニュースポッドキャスト」の狙いをこう強調した。新サービスは米国でポッドキャストが急速に普及したことに注目した同社の若手記者がポッドキャストを活用したニュース配信の実験を提案し、社内で検討を続けていたという。番組は読売新聞の放送用原稿を活用して、オービチューンが制作。平日午前6時に配信している。





担当者の馬野耕至・東京本社メディア戦略局開発部長は「広告モデルのメドが立ったため、新事業に踏み切った」と説明している。バリアフリーサービスの拡大、新聞無読者の紙面への誘導、新たな収益源の開拓――などの目標を掲げ、新聞離れ傾向が強まっている若者にもアピールする。携帯電話を使いこなす若者を読者に取り込むため、携帯電話とポッドキャストの融合も視野に入れて事業を展開する考えだ。





新聞社がポッドキャストに本格参入することで、広告ビジネスの可能性も広がる。オービチューンはポッドキャストとアドバタイジング(広告)を組み合わせた「ポッドバタイジング」という造語を紹介。ポッドキャストに関連した広告市場の拡大に期待感を示した。同社によると、ポットキャストはユーザー主導型の性格が強く、広告のターゲットにリーチしやすい特徴がある。広告料金を1ダウンロードあたりの単価で決められるため、広告主側のリスクは低く、広告主に売り込みやすいという。





ただ、ポッドキャストを新しい広告媒体として期待しているメディア側から見ると、ダウンロード数に応じた料金体系よりも、番組スポンサー枠として売りたいとの思惑もあり、ポッドキャスト関連広告をめぐって、どのような料金体系が定着していくのかは不透明だ。読売ニュースポッドキャストは現在、スポンサーがついていないという。米有力紙のワシントンポストも映像版のポッドキャスト「ワシントンポスト・ドット・コム・ビデオ」を始めたが、当初は広告がない状態。新聞社が手掛けるニュース「ネット放送」は参入企業が増え、音声から映像へのシフトも始まっているため、今後、広告を含めたビジネスの仕組みづくりで各社が知恵を絞ることになりそうだ。

















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