企業のPRを目的に社長以外がブログを運営する企業もある。健康関連の通販サイトを運営するケンコーコムは、広報担当者が「社内レポートブログ「KC Cafe」」を運営し、自社の様子や通販サイトで取り扱っている商品を紹介している。日々ブログを執筆している高須賀令奈広報室マネージャー=写真=に話を聞いた。
――広報室で開設した目的は
「プレスリリースでは、内容や読む人が限られてしまう面がある。その欠点を補うために2005年10月からブログを使うことにした。私は二代目の担当者として2007年5月から書いている。リリースとして配信した話題にブログで補足したり、リリースを配信するほどではないが、ぜひ伝えたいと思った話題を紹介したりできる」
「ブログの効果を厳密に測定しているわけではないので、数字には表わせないが、社外の反応はいい。商品について取り上げると、そのメーカーに喜ばれることもある。ここからメディア事業(自社サイトを活用した商品のプロモーション支援を手掛ける新規事業)など、Eコマース事業以外の新たなビジネスチャンスが生まれることを期待している」
――掲載内容は
「毎日書くことを目標に、当社の最新ニュースをはじめ、通販サイトで扱っている商品や社内の様子を紹介している。通販サイトで買い物するお客様に会社の雰囲気をわかってもらう機会になるし、人事採用にも好影響を及ぼしているようだ。計画的に題材を決めているわけではなく、その日に気付いたことを書いている」
「商品を紹介する場合は、通販サイト上で展開するプロモーションとは連動していない。利用者に一番近い視点で、自分で商品を試すような感覚で書いている。商品を詳しく説明するためにメーカーを取材することもあるし、逆にメーカーから広報ブログ掲載用に取り扱い中の商品を提案されることもある。いずれもブログなら、手軽にウェブ上の露出につながる点を評価しているようだ」
「広報室内でのブログの内容チェックはなく、担当者の責任で発信している。始業前と始業後の時間を利用して更新している。公式ブログは仕事の一部であるが、100%業務とも言い切れないような気がするからなのか、この時間帯に更新するのがふさわしいと感じている。ブログの更新間隔があまりにも空くと、社内から指摘を受けるので、励みになる。写真が少ないと指摘されて、反省したこともあった」
――苦労していることは
「ブログは多くの社員に会社の動きを伝えられる効果もある。広報担当として社長と行動することが多いので、社長の言葉を伝えることもできる。社員も読者であることを考えると、「どこを向いて書くか」ということに悩まされることがある」
「今後も広報ブログを続けていきたいし、担当者が変わっても続いていくだろう。書く題材に困ることはないが、書くスピードが追いついていないのが悩み。毎日書くのが目標なのに、まとめて書いてしまうことも多い」
■関連リンク
社内レポートブログ「KC Cafe」 http://blog.kenko.com/pr/
日経メディアラボでは、「企業として、個人として、ブログとどう付き合っていくか」をテーマにレポートをまとめる予定です。ここでは取材結果の一部を紹介していきます。
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