2008年6月20日金曜日

オートロックマンション、新聞配達と防犯の両立めざす――三井不動産レジデンシャルが新システム

システム概念図(クリックすると大きくなります)




 三井不動産子会社の三井不動産レジデンシャル(東京・中央)は、オートロックマンション向けに、入居者の各戸の玄関まで新聞を配達できるようにした新しいセキュリティーシステムを開発した。新システムを担当する都市開発事業部開発室主任の久松壮氏に、新聞配達と防犯性を両立させるための工夫や、開発の背景を聞いた。



――どんなシステムなのか


 新聞配達員があらかじめ配布されたICカードと暗証番号を使い、マンションの集合玄関の鍵を開ける。このとき、集合玄関に設置した監視カメラが自動的に高画質モードに切り替わり録画を開始。さらに、スピーカーから「監視モードに切り替えます」というアナウンスが流れ、集合玄関の近くにいる住民に配達員が入ったことを知らせる。


 「ICカードと暗証番号があっても、朝5時~7時しか入れない」といった時間制限を設定することもできる。万が一、配達員がICカードを紛失してしまった場合は、システムを操作すれば、すぐにカードを無効にできる。


 鍵製造最大手の美和ロック(東京・港)、綜合警備保障と連携しながら開発した。来訪者が部屋番号を入力するための数字ボタンを暗証番号入力に対応させるのに苦労したが、従来のセキュリティーシステムに備わっている設備を有効活用することで導入コストを抑えた。新築で導入する場合は、従来のシステムとほとんど変わらない。


――開発の背景は


 当社がマンション販売後に実施する入居者アンケートでは、必ず「新聞は読みたいけれど、集合ポストまで取りに行くのは…」といった意見が出てくる。管理人が24時間常駐するような大規模マンションでは、管理人が新聞配達員を確認して入館を許可する事例が生まれているが、数十戸程度の規模のマンションでは難しい。24時間常駐にすると、入居者の費用負担が重すぎるからだ。


 24時間常駐ではないオートロックマンションのなかには、各戸への配達を実現するために事前に集合玄関の鍵を新聞配達員に渡しておいたり、早朝の一定時間にオートロックを解除したりするところもあるが、セキュリティーの面では問題が残る。当社の物件は、2つのオートロックを解除しないと各戸の玄関まで行けない「ダブルオートロック」などのセキュリティー機能が売り物の一つ。セキュリティーを考えながら各戸への新聞配達ができれば、これも売り物できる。


――今後の展開は


パークホームズ目黒中町の完成予想図
 まず6月中旬から販売を始めた「パークホームズ目黒中町」(東京・目黒)で導入し、首都圏の新築物件から展開していく予定だ。既存の物件にシステムを販売する可能性も検討している。実際に既存マンションの管理組合から問い合わせが来ており、大規模修繕工事のタイミングに導入可能だと思う。今回のシステムの外販は考えていないが、同業他社にも同様の動きが広がるのではないかと考えている。


■関連リンク
ニュースリリース(PDFファイル)
三井不動産レジデンシャル http://www.mfr.co.jp/


2008年6月4日水曜日

「モバイル広告出稿、モバイルサイト常設企業の4割を超える」――広告主の利用動向調査

 日経広告研究所、ディーツー
コミュニケーションズ、日経メディアラボは、広告主となる企業を対象にモバイル広告の利用動向を調査した。それによると、モバイルサイトを常設している企業のうち07年度にモバイル広告を出稿したのは42.9%と、2年前と比べ約20ポイント上昇した。また、モバイルサイトに「会社案内」「求人情報」を掲載する企業が増えてきており、商品情報以外に企業情報もモバイルサイトで提供する動きが広がっている。





 調査は2008年2-3月に実施。日経広告研究所の「有力企業の広告宣伝費」の上位1500社に聞いたところ、218社の回答を得た。





 07年度にモバイル広告を出稿した企業は18.3%で、前年から約5ポイント上がっているが、これをモバイルサイト常設企業に絞って見てみると、42.9%がモバイル広告を出稿している。この数字は05年度が20.8%、06年度が33.0%と、この2年間で10ポイント前後ずつ伸びている。


 モバイルサイトを常設しているが、モバイル広告を出稿していない企業に今後の利用予定を聞いたところ「現在、利用を検討している」が21.6%、「検討までいたっていないが今後利用したい」が21.6%となり、4割強が利用意向を示した。特に「現在、利用を検討している」と回答した企業は前年より約5ポイント伸びている。


 
モバイルサイト常設企業は全体の35%と、過去3年ほぼ横ばいながら、広告出稿企業や利用意向が伸びていることを考えると、モバイル広告への意識が高まっているといえるだろう。


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モバイルサイトも企業の顔に


 キャンペーン用の期間限定サイトなど常設ではないものを含め、モバイルサイトをなんらかの形で開設している企業に掲載内容を聞いたところ、「商品情報」「キャンペーン情報」がそれぞれ74.7%、62.1%と大きく他の内容を引き離している。モバイル常設サイトに絞って、過去3年の結果を見てみると、数字は他の項目と比べてまだ低いものの、「会社案内」「求人情報」が地味に数字を伸ばしている。


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 過去3年で「会社案内」は、21.9%、27.8%、36.4%と3割を超え、「求人情報」は8.3%、6.2%、14.3%と1割を超えた。


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 PCサイトでは「会社案内」が94.9%、「求人情報」が83.3%ということを考慮すると、まだまだ大きな差があるが、モバイルサイトを徐々に企業の顔としてPCサイトとあわせて使っていく企業が増えている動きを感じる。


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 モバイルの利用者層および個人の端末という特性を考えると、今後「求人情報」を掲載する企業が増えてもおかしくない状況なので、今後の動向に注目したい。




クチコミ効果は高い評価


 モバイル広告の評価について、回答企業全体に聞いたところ、「ターゲットを絞り込みやすい」が33.0%で、3年連続トップとなったが、「クチコミ効果が期待できる」が3年間で徐々に伸びてきており、28.9%で、上位に食い込んできた。特に、モバイル広告出稿企業で数字を見てみると、05年が7.1%、06年が29.7%、07年が45.0%となり、過去3年間で大きく伸びている。

 モバイル出稿企業の数字では「効果がすぐに把握できる」(57.5%)「ターゲットを絞り込みやすい」(50.0%)に次ぐ結果で、全体よりは少し順位を下げる。全体の数字を考えても、モバイル広告の3つのキーワードとして「ターゲティング」「クチコミ効果」「即効性」が浮かび上がりそうだ。



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