2006年1月31日火曜日

サイボウズ,RSSフィードの収集・管理サービス開始

Temp_part サイボウズは30日、ブログ(日記風の簡易型ホームページ)などの更新情報を配信する「RSSフィード」を効率的に収集・管理できるインターネットの新サービスを開始した。ブログなどの記事にタグ(札)と呼ばれる目印をつけて分類できるのが特徴。配信される記事の量が膨大になっても、タグによる分類で、読むべき記事の優先順位を決めやすくなる。新サービスが普及すれば、膨大な情報の中から必要な情報を選別する「コックピット(操縦席)」型の情報収集に弾みがつきそうだ。







































Mraono 利用者は同社が新設したサイト「Feedpath(フィードパス)」を使い、ブログやニュースサイトなどの各記事が発信しているRSSを閲覧する。利用料は無料。サイボウズは早期に利用者を増やして、広告収入を確保する考えだ。同社の青野慶久社長=写真=は同日、「フィードパス」についての記者会見で「便利なツールを作って人を集めなければ話にならない。当面は赤字覚悟で取り組み、3年後に100万人の会員登録を目指す」と述べた。



一人のユーザーが特定の記事につけたタグは他のユーザーとも共有できるため、タグによる情報の分類はフィードパスのユーザーによる共同作業になる。同社はユーザー参加型のタグづけ作業を「ソーシャルタギング」と位置づけ、「Web2.0」と呼ばれるウェブサイトの新しい活用方法の概念を取り入れたと説明している。「Web2.0」の発想に沿って、タブをつけて情報を整理するサイトは、米国では写真共有サイトの「フリッカー」やブックマークサイトの「デリシャス」などが有名。



「フィードパス」の開発を担当したネットサービス部の小川浩部長はネット利用者のネット接触時間のうち、メールを読む時間とサイトを閲覧する時間とは別に、今後は「RSSフィード」を閲覧する時間が増えていくと指摘する。現在、RSSで提供される情報は記事の見出し程度だが、今後、記事の内容を要約した情報なども加わるようになれば、RSSそのものが記事のコンテンツ(情報の内容)に近づく。サイボウズは「(RSSを配信する仕組みの)フィードがメディア化する」(小川部長)と見ており、RSSフィードの情報を効率的に収集・管理するサービスの需要を開拓する方針だ。



RSSフィードが普及すれば、「フィードパス」のように「コックピット型」の情報収集を支援するサービスが一般化し、他社も類似のサービスで追随する可能性がある。今後はユーザー個別のニーズに応じて、いかにきめ細かく情報を分類・整理できるかといった使い勝手の良さを競い合う展開も予想される。また、情報収集の面だけでなく、「コックピット」から情報を発信する面の機能強化も課題になる。










2006年1月28日土曜日

TBSメディア総研社長ら招き政策フォーラム

Creative 慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC)、コンテンツ政策研究会、日経メディアラボは27日、TBSメディア総合研究所の前川英樹社長(TBS執行役員)らを招き、「クリエイティブ産業政策フォーラム」を開催した。前川社長は放送のハード(電波放送)とソフト(番組制作)の分離問題について「分離しても優良なコンテンツ(情報の内容)を生み出せないことは目に見えている」と指摘。放送と通信の融合についても慎重な見方を示した。




























Mrmaekawa_2  ハードとソフトの分離問題をめぐり、前川社長=写真=は米国で1995年まで三大ネットワークによる番組の製作・配給を規制していた「フィンシンルール」を引き合いに、日本での議論を「フィンシンルールの亡霊か」と皮肉った。そのうえで「フィンシンルールを適用すれば、コンテンツ産業が活性化するという話ではない」と強調した。





通信と放送の融合については、2つの業界を海流になぞらえた「親潮・黒潮」論という持論を展開。前川社長は「親潮と黒潮が入り混じる海域は優良な漁場になる」と語り、両分野の融合で形成される市場に関心を示したものの、「(通信事業者と放送事業者は)漁法が違うので、別々のほうが互いの船団を自由に操作できる。当面は一緒になれば済むということにはならない」と述べた。





前川社長の講演に続き、経済産業省の境真良氏、総務省の谷脇康彦氏、スタンフォード日本研究センターの中村伊知哉研究所長らが「メディア融合政策のネクストステージ」をテーマにパネルディスカッションをした。「クリエイティブ産業政策フォーラム」は昨年12月に初会合を開き発足し、今回は2回目。コンテンツ(情報の内容)産業に関連した政策の共同研究を推進している。















2006年1月27日金曜日

毎日放送、CM入りポッドキャスト番組





毎日放送は27日、CMを入れた音声番組のインターネット配信「ポッドキャスティング」を始める。テレビのドキュメンタリー番組「情熱大陸」を紹介する番組「情熱大陸+P」を毎週1回更新する。ポッドキャストCMの広告主はテレビ番組のスポンサーであるアサヒビール。毎日放送は広告収入を得るポッドキャストの早期事業化を目指す。










毎日放送は全国ネット番組に関連したポッドキャストは「全国初の試み」と説明している。「情熱大陸+P」は番組の担当プロデューサー中野伸二氏、作家の重松清氏ら4人が毎週テレビの「情熱大陸」についてコラムを交代で執筆し、テレビ番組でナレーションを担当している窪田等氏がコラムを朗読する。



約7分間の番組の途中、50秒のCMが入る。アサヒビールの主力商品「スーパードライ」のラジオCMをポッドキャストに転用する。アサヒビールの黒木誠也宣伝部長は「(ポッドキャストの)番組で『スーパードライ』という商品の世界観を打ち出すのはブランディングの意味がある」と強調している。



新聞、テレビなどのメディアは自社のコンテンツ(情報の内容)に関連した番組のポッドキャストを試験的に始めているが、本格的に事業化できるメドが立っている事例は少ない。








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