2006年10月31日火曜日

グリー、「完全招待制」を放棄 KDDIと新サービス

Ezgree ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手のグリー(東京・港、田中良和社長)は30日、KDDIと共同で、携帯電話でのSNS「EZ GREE」を11月16日に開始すると発表した。これまでグリーのSNSは既存会員からの招待がないと参加できない「完全招待制」だったが、新サービスは「EZ WINコース」などKDDIの携帯電話「au」の契約者ならば、招待がなくても利用できる。完全招待制を見直し、早期に100万人の会員を獲得する狙いだ。










グリーは「信頼性と安心感のあるサービスを楽しんでもらう」との理由で、パソコン中心のSNS「GREE」に完全招待制を採用していた。「EZ GREE」経由で参加する利用者は既存会員の招待なしでGREE会員になれるようにするが、「au契約者の情報があるので、(会員情報と契約者情報を)つき合わせて、問題がある場合はアクセスを遮断できるようにする」(田中社長)と説明しており、公序良俗に反する行動などをする利用者を抑制できると見ている。



「EZ GREE」は動画の共有、占い、ゲーム、日記やメールなどの装飾、利用者参加型の百科事典「ウィキペディア」など6つの新サービスを提供する。2006年度内には、総合音楽サービス「リスモ」、似たような音楽の趣味を持つ人と交流できる「うたとも」と連携した音楽コミュニティーのサービスのほか、GPS(全地球測位システム)を活用した友人との交流機能なども追加していく方針だ。新サービスは無料(別途パケット通信料が必要)で、広告収入で運営する予定。






2006年10月20日金曜日

ミクシィ、ターゲティング広告を強化へ

Mixi_1 ミクシィの笠原健治社長=写真=は19日、東京ビッグサイトで開催しているパソコンの総合展示会「WPC TOKYO2006」で講演し、「上場後に認知度がかなり上がり、広告の売れ行きが高まった」と述べ、東証マザーズ上場の効果を強調した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)利用者の属性に応じて広告を表示するターゲティング広告などを強化する方針を示し、ページの更新に伴い自動的に広告が変わるローテーションバナーについても「将来的にはターゲティング化する」と表明した。



















笠原社長はターゲティング広告について「あまりお薦めできないが、(SNSに登録している)自分のプロフィールを男性から女性に変えてみるとか、年齢を変えてみると、若干、見えるバナーが変わってくる」などと説明。「必要十分に絞り込んで広告を配信することはユーザーにとっても、広告主にとってもいい話」と語り、ターゲティング広告の需要を開拓する姿勢を示した。ターゲティング広告に加え、SNSのクチコミを活用した広告も強化。「それぞれを組み合わせたミクシィならではの広告展開をやっていく」と語った。







2006年10月5日木曜日

楽天社長、メディア観を大修正 動画は「想定外」

Ceatec_1 楽天の三木谷浩史社長=写真= は4日、情報技術(IT)機器の見本市「CEATECジャパン2006」で講演した。「10年後のメディアは変化する。今までの延長線上にない発展を遂げる」と指摘。メディア戦略に関する説明は大半をCGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)への対応策に割いた。映像コンテンツ(情報の内容)については、動画投稿サイト「YouTube」の登場などを引き合いに「この分野では想定外のことが起きている」と述べ、1年前にTBSとの経営統合を画策した経営者と同一人物とは思えないほど、メディアに対する見方を修正していた。



三木谷社長は「楽天の成長戦略とインターネットビジネスの今後」をテーマに講演した。ネットで商品を売りたいと考える人が簡単に仮想商店街でネット店舗を開設できるインフラを提供してきた実績を踏まえ、自社を「UGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)の走りのような会社」と強調した。仮想商店街でショッピングをした顧客が商品についての感想をネットに書き込む「レビュー」記事が750万件あることにも言及し、「ミクシィのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も一応やっており、強くはないが、CGMはやっている」と述べた。





楽天が2005年10月にTBSとの経営統合を目指し、同社株を買い増した「騒動」から1年が経過した。当時はテレビ局が抱える動画コンテンツに着目し、自社サイトの集客に活用する戦略を描いていたが、TBS側との交渉は難航し、目に見える成果はでていない。市場には交渉の長期化で楽天のメディア戦略が行き詰まったと映り、同社の時価総額は急減している。





このほど三木谷社長は米国を訪れ、シリコンバレーのベンチャーキャピタル関係者らとの意見交換を重ね、ネットビジネスの将来について考えたという。映像メディアについては「動画はすごいスピードで展開している」との認識を深め、4日の講演でも「ファイルシェアリングで、無料でコンテンツを見られる。それが一般的になっている。動画配信でもうけるのは難しい状況だ」と米国の現状を分析して見せた。日本のメディアについても「テレビ中心だが、3-5年後には変わっていく」との見通しを示し、テレビ局の支配への関心が薄れている様子をうかがわせた。













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