2008年7月30日水曜日

ロイターとプレジデント、共同でビジネス情報サイト――10月開設

会見風景
 米トムソン・ロイターの日本法人、トムソン・ロイター・ジャパン(東京・港=注)とプレジデント社(東京・千代田)は7月29日、業務提携を発表した。10月に共同でビジネス情報サイトを開設する。共同でビジネスマンや経営者向けのネット広告需要を掘り起こし、収益増につなげる。自前のニュースサイト運営を拡大したいロイター・ジャパンと、ネット事業を強化したいプレジデント社の思惑が一致した。



開発中の新サイトの画面
 新サイトの名称は「プレジデントロイター」(http://www.president-reuters.com)。ロイターが経済ニュース、プレジデント社がビジネス誌「プレジデント」の掲載記事をそれぞれ新サイトに掲載する。雑誌記事は最新号の一部(目玉記事を数本)に加え、過去の掲載記事を再編集したものと、ネット独自の記事を掲載する計画。


 同日都内で会見したプレジデント社の藤原昭広社長は「ヤフーから事業提携の話をいただいたこともあったが、ロイターは『ビジネスの意思決定層と富裕層』という同じ読者層を持っていた」点を重視して提携を決めたと説明した。トムソン・ロイター・ジャパンのメディア事業部門の責任者である楠山健一郎ゼネラルマネージャーは「(ビジネス誌と組むことで)広告主の幅がナショナルクライアントにも広がる」と提携のメリットを話した。


 広告営業の面では、ネット系広告代理店への営業をロイターが担当。プレジデント社は総合広告代理店への営業と雑誌とネットを組み合わせたクロスメディア広告の営業を担当する。両社とも広告売り上げは明らかにしていないが、ロイターは新サイトの開設効果として、広告売り上げの2―3割増を見込んでいる。プレジデント社はこれまでネット広告の営業を手掛けてこなかったといい、新たにネット広告収入を得る。


(注=登記上の社名はロイター・ジャパンだが、2008年4月にカナダの金融情報大手のトムソンが英ロイターを買収したため、トムソン・ロイター・ジャパンの表記を使っている)


2008年7月19日土曜日

「メタバース協会」発足、調査研究やセミナー実施

080719  仮想空間サービスに関連する企業やアーティスト、研究者などが集まる団体「メタバース協会」が7月18日発足し、都内で会見を開いた。



 理事長にデジタルハリウッド大学の杉山知之学長が就任したほか、ベンチャー育成などを手がけるngi groupの小池聡社長やパソコン関連機器を販売しているサンワサプライの山田哲也社長、人気ロックバンド「シャ乱Q」のリーダーはたけ氏らが理事として参加している。


 「メタバース」とは、「メタ(超越した)」と「ユニバース(世界)」とを合わせた造語で、1990年代のアメリカのSF小説「スノウ・クラッシュ」に初めて登場した。現在は、コンピューター・グラフィックスを利用したネット上の仮想空間サービスを指す言葉として用いられている。


 会見に臨んだ杉山理事長は「安全・安心な形でこの分野を発展させていくとともに、国際的な標準を日本のメタバースに取り入れ、同時に日本からも情報を発信していきたい」と抱負を語った。また常任理事の一人である三淵啓自デジタルハリウッド大学教授は「文字だけ、絵だけを扱うサービスなら、海外のものをそのまま国内に持ち込むこともできる。しかしメタバースは文化や感性に深くかかわるだけに、そのままでは普及は難しい」と指摘すると同時に「日本のコンテンツをもっと世界に広めるためには、国際的な標準に基づく必要がある」とも述べ、ローカルな視点とグローバルな視点とを両立させることが重要だと主張した。


 今後、協会では各種の調査研究や、セミナーなどの実施を予定している。


メタバース協会
http://www.metaverse-association.jp/


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