2006年11月21日火曜日

フジテレビ、2011年度に連結経常利益700億円

フジテレビジョンは20日、2011年度を最終年度とする中期経営計画を発表した。07年秋に新スタジオを稼動させ、番組制作力を強化。12年3月期の連結売上高を05年3月期と比べ18%増の7000億円にする。制作費の管理を徹底し、経常利益は同39%増の700億円を確保する。M&A(企業の合併・買収)や大型投資を積極化し、放送事業に次ぐ柱となる新規事業も開発する。































新スタジオの稼動により、都内に分散していた制作拠点を本社周辺に集約し、コンテンツ(情報の内容)制作の業務を効率化する。自社保有スタジオの面積は倍増し、1万122平方メートルになる。ワンセグ放送は、通常の地上デジタル放送と同一の内容を同一時間に流すことを義務付けた「サイマル規制」解除をにらみ、独自の番組制作を検討する。





放送事業以外では自社映画の動画配信を開始するほか、インターネットと携帯電話を連動させる新規サイトの開設、通販子会社によるネット通販強化などネット関連事業も育成する。中期の経営戦略は昨秋、05-10年度の計画をまとめていたが、11年度に予定されるデジタル放送の完全移行を視野に入れて、06-11年度の計画を練り直した。





 ■キャッチフレーズは「7への階段」





ステアウェイ・トゥ・セブン――。フジテレビジョンの村上光一社長は7000億円(売上高)、700億円(経常利益)という「7」が並ぶ連結ベースの経営目標を盛り込んだ計画について、こんなキャッチフレーズを掲げる。ステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)に引っ掛けた覚えやすい駄洒落で、「7への階段」を一気に駆け上がろうとの意気込みを見せる。





2011年度までの成長戦略は主力である放送事業の売上高を05年度の4100億円から4600億円に拡大することが柱。放送事業を支える広告収入については「テレビ広告の媒体価値・訴求効果への評価は変わらない」ということを前提としており、「7への階段」計画には、テレビ業界で深刻になっているスポット広告の減少問題が長期化する可能性は織り込んでいない。





スポット広告が減少している背景には、広告主の企業が従来型のマスマーケティングの手法を見直していることがあるとの見方もあるが、村上社長は「(スポットは)年明けからよくなる兆しが出ている。インターネット(広告)に流れているというデータはない」と反論。広告収入の先行きについては「タイム、スポット共に持続的に成長する」と強調する。「メディア産業のリーディングカンパニー」を自負するフジテレビの成長戦略は前提条件が崩れた場合、「階段」を踏み外す懸念を拭い去れない。






















2006年11月17日金曜日

日テレ、制作系4子会社を再編 来年4月に

日本テレビ放送網は16日、番組制作を手掛ける子会社4社を再編し、2007年4月に4社の事業を統括する新会社を設立すると発表した。エヌ・ティ・ビー映像センター(東京・千代田)、日本テレビビデオ(同)、日本テレビエンタープライズ(同)、日本テレビアート(同)の4社は制作、技術などの業務が一部重複しているため、新会社の傘下で業務ごとに再編する。新会社は将来、他の連結子会社の管理部門業務を受託するシェアードサービス会社の機能も担えるようにして、経営の効率化を図る。









日本テレビが100%出資する新会社の名称は未定。音楽子会社バップ(東京・千代田)の徳市慎治会長が新会社の社長に就任する。新会社は傘下に技術会社の「日テレ テクニカル」(仮称)、制作会社の「日テレ ドリームコンテンツ」(同)、イベント会社の「日テレ イベンツ」(同)、美術会社の「日本テレビアート」を置く。会社分割によって業務ごとに再編する4社を新会社が統括し、経理、人事、総務などの間接部門も新会社に集約する。



今回の子会社再編は人員の削減などの合理化策を予定しておらず、番組制作コスト抑制の効果は限定的になる。同社は「当面はコストセンターに徹することになるが、ゆくゆくは大きな制作会社に育てる」(能勢康弘執行役員)としている。





2006年11月8日水曜日

孫社長、SNSでミクシィに対抗意識をあらわに

Myspace ソフトバンクは7日、米国最大手のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「マイスペース」の日本版「マイスペースジャパン」の試験サービスを開始したと発表した。ソフトバンクの孫正義社長は同日の記者会見=写真=で「(国内最大手の)ミクシィをいつ抜くのか、やってみないとわからないが、やる以上はナンバーワンになりたい」と述べ、ミクシィに対抗して、日本で最大規模のSNSを構築する意欲を示した。



















フトバンクは同日、米マイスペースを傘下に持つ米メディア大手ニューズ・コーポレーションと合弁会社を設立することで正式合意した。11月中旬にニューズ傘下のエフ・アイ・エム・インターナショナルと折半出資して日本でのSNS運営会社「マイスペース」を設立する。新会社は音楽を通じた利用者の交流を促すことで、日本での知名度を上げる戦略だ。歌手の中島美嘉がマイスペース内に個人サイトを開設し、利用者と交流するほか、英国のロックバンド「オアシス」メンバーのノエル・ギャラガーらによる利用者限定の演奏会を東京都内で15日に開催する予定。





ソフトバンクはSNSを携帯電話でも利用できるようにする。「携帯電話用SNSの開発を続けて、すでにプラットホームがあるので、ソフトバンクの携帯電話での展開が(他社より)早くなるかも知れない」(孫社長)としているが、NTTドコモなど他社との交渉もする方針だ。ソフトバンク傘下のヤフーがマイスペースとは別に日本でSNS事業を展開していることに関して、孫社長は「ソフトバンクを間に挟み、(ヤフーとマイスペースの)ウィン・ウィンの関係ができればよい」と強調するが、ソフトバンクグループ内での調整は進んでいないもようだ。





マイスペースの試験サービスは来春、正式に事業化する予定。アジアには初めて進出することになり、日本を含めて世界7カ国での事業展開になる。ニューズのルパード・マードック会長はソフトバンクがヤフーのポータル(玄関)サイト事業を日本で成功させたことを評価しており、「ソフトバンクはグローバルなサービスの日本でのローカライズを経験しており、日本で大きな成功をもたらすと確信している」と語った。





日本のSNS利用者は1000万人と言われ、約600万人の会員を確保しているミクシィが最大手。同社への対抗意識をあらわにする孫社長は、世界中で1億人以上の利用者を持つマイスペースの実績を踏まえて、急ピッチで若い利用者を掘り起こす考えだが、ミクシィが囲い込む利用者層と重なるため、米ヤフーのサービスを日本で定着させた成功体験が通用しない可能性もある。好きな楽曲ファイルを自分のサイトに添付する使い方も日本では著作権管理団体との交渉が不可欠で、米国での強みをすぐに発揮できない公算が大きい。マイスペースは売上高や利用者獲得の数字目標は明らかにしていない。























2006年11月7日火曜日

閲読履歴を把握できる電子雑誌配信 学研子会社

学習研究社の電子出版子会社、アドマガ(東京・品川、須摩春樹社長)は7日、2007年1月に電子雑誌の配信事業を始めると発表した。企業の商品カタログや販促用フリーマガジンなどをインターネットで配信し、読者の閲読履歴を顧客企業に報告できるのが特徴。顧客企業は読者の閲読履歴をマーケティングなどに活用できるという。アドマガは電子雑誌の配信受託を柱にして、09年3月期に売上高を11億円にする方針だ。




























Admaga 読者は専用の電子雑誌閲覧ソフト「アドマガランチャー」=写真=をパソコンにダウンロードして、フリーマガジンなどを閲読する。電子メールのアドレス、性別、年齢などを読者に登録してもらうため、カタログやフリーマガジンを配信した企業は、どんな属性の読者がどのページを開き、どこをクリックしたのかなどを把握できる。オンラインで読者アンケートの回答を得られるほか、読者を電子商取引サイトに誘導することもできる。





アドマガは11月8日に電子雑誌、カタログなどのコンテンツ(情報の内容)配信テストを開始。1年後には「アドマガランチャー」の利用者を30万人にしたい考えだ。「アドマガランチャー」をコンテンツ配信プラットホーム(基盤)に育て、企業の電子コンテンツ配信受託サービスのほか、一般読者向けのコンテンツ配信サービスも手掛ける。自社のコンテンツを活用してタレントの写真集、ゴルフレッスン用ムックのPR冊子も作成、近く配信を始める。





学研は8月に台湾の新数通(台北市)との合弁企業として、アドマガを設立した。新数通は「Xplus」と呼ばれるコンテンツ配信プラットホームを保有し、台湾や中国で700万人の利用者を獲得しているという。アドマガは「Xplus」の技術を導入し、日本で電子雑誌やカタログの配信事業を立ち上げる。















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