2007年8月30日木曜日

ぐるなび、「おサイフケータイ」使った飲食店ポイントサービス

飲食店に設置した読み取り装置に携帯をかざして使う「ぐるなびタッチ」
 飲食店情報サイトのぐるなびは、携帯電話に電子マネーを搭載する「おサイフケータイ」機能を使った飲食店のポイントサービスを9月3日から始める。飲食店情報サイトの加盟店に専用の読み取り装置を設置。利用者が来店時に携帯をかさずと、その店のポイントがたまり、次回の来店時やポイントがたまったときに割引や特典を受けられる仕組み。リピーター客を増やす販促ツールとして、2007年度に1万店の導入を目指す。



 新サービスの名称は「ぐるなびタッチ」。「おサイフケータイ」機能を搭載した携帯電話を持っていれば、だれでもポイントをためられる。特別な契約やソフトのインストールは不要。当初は、来店した店ごとに別々にポイントをためて使う仕組みだが、将来的にはぐるなび加盟店の共通ポイントサービスも検討していく。


 飲食店がぐるなびに払う導入費用は未定。まず、ぐるなびのサイトに加盟する約6万店のうち、一定条件を満たした1万店を対象に、2007年度中は無料で提供する。「費用は導入効果などを見極めたうえで考える」(久保征一郎社長)という。紙のスタンプカードを用意するよりも手間や費用がかからないメリットを訴えていく。


ぐるなび久保社長
 8月29日に会見した久保社長は「ぐるなびを見て飲食店を訪れた人々の再来店を促す仕組みづくりを5年前から考えてきた。クレジットカードやカード型電子マネー、QRコード(二次元バーコード)など、いろいろ検討してきたが、おサイフケータイの登場でようやくだれでも簡便に使える仕組みができた」と話している。



 今回の新サービスでは、利用者(携帯電話)と導入店、来店時間くらいしか特定できず、利用者の属性や購入履歴などは把握できないが、「導入店は読み取り装置の電源をコンセントに差すだけで手間がかからない」「利用者にとっては携帯でタッチするだけ」という手軽さを優先して割り切ったという。


■関連リンク
ぐるなびタッチの紹介ページ http://www.gnavi.co.jp/gt/


2007年8月9日木曜日

サイボウズ・ラボ、サイト閲覧履歴の共有サービス

サイボウズ・ラボの畑慎也社長
 サイボウズの研究開発子会社、サイボウズ・ラボ(東京・千代田、畑慎也社長)は8月8日、多くの利用者からサイト閲覧履歴を集めるサービス「パストラック」を始めた、と発表した。利用者は専用ソフト(ブラウザーのプラグイン)をインストールして閲覧履歴情報を提供する代わりに、パストラックのサイトで人気ランキングなどの統計情報を共有できる仕組みだ。



 専用ソフトが自動的に閲覧履歴をパストラックのサーバーに送る。8日会見した畑社長はパストラックの専用ソフトについて「目標インストール数は1カ月後に1万人」と話した。インターネット視聴率の調査会社、ネットレイティングス(東京・渋谷)の調査モニター数が約7000世帯(約2万人)であることを参考に、1万人集めればある程度の説得力を持つデータになると判断したという。


パストラックの画面例
 利用者はクリック1回の操作で履歴の送信を止めたり再開したりできる。「プライバシーに配慮し、利用者の行動を追跡するようなことはしない」(畑社長)という。専用ソフトをインストールしなくてもパストラックのサイトを見ることは可能だが、インストールを薦める画面が煩雑に表示されるため、インストールしないと円滑にサイトを見ることができない仕組みになっている。


■関連リンク
パストラック http://pathtraq.com/
サイボウズ・ラボ http://labs.cybozu.co.jp/
ネットレイティングス http://www.netratings.co.jp/


2007年8月6日月曜日

日中比較・20代のメディア利用(3)――利用時間帯、ネットで日中に違い

 日経メディアラボと清華―日経メディア研究所(北京)の共同調査では、メディアごとに1日の生活シーンの中での利用時間帯を質問。日中の違いを比較してみた。



(1)パソコン(ネット)
 中国では1日のなかで、「勉強中・仕事中」と「休憩時」に使う人が多い。これに対し、日本で多いのは「就寝前」と「夕食時・夕食後」。中国では「職場での私的ウェブ閲覧などの規制が未整備で使い放題なのが現状」(崔保国・清華―日経メディア研究所所長)といった要因が、日中の差を生みだしているようだ。=グラフをクリックすると大きくなります


パソコン(ネット)利用時間帯


(2)テレビ
 「夕食時・夕食後」と「就寝前」に多いのは日中に共通しているが、日本は「起床後~通勤・通学まで」の朝の時間帯の利用が突出しているところが大きな違いになっている。


テレビ利用時間帯


(3)新聞
 日本では「起床後~通勤・通学まで」が突出しているのに対し、中国では「通勤・通学時」「勤務先・学校などに着いてすぐ」「休憩中」など昼間の時間帯に満遍なく利用者が多い。宅配制度が普及している日本と異なり、中国では宅配よりも街中の売店で新聞を買う人が多いという販売方法の違いが利用シーンの違いになっているようだ。


新聞の利用時間帯



■「日中比較・20代のメディア利用」記事一覧
(1)ネット依存強い中国、日本はネット+TV併用
(2)信頼度、中国ではポータルが首位
(3)利用時間帯、ネットで日中に違い



日中比較・20代のメディア利用(2)――信頼度、中国ではポータルが首位

 日経メディアラボと清華―日経メディア研究所(北京)の共同調査では、仕事や学業に必要な情報収集手段としての各メディアの位置付けも聞いた。



(1)メディアの使い分け
 仕事や学業の情報収集に使うメディアの比率を「1人100%のうち、テレビはだいだい○%、新聞は○%…」といった方法で答えてもらった。日中とも首位はパソコン(ネット)で、中国では6割、日本でも過半数を占めた。日本は中国に比べ、テレビと雑誌の割合が高い。新聞と携帯電話(ネット)は日中の差がなかった。=グラフをクリックすると大きくなります


メディアの使い分け


(2)メディア信頼度
 各メディアに対する信頼度を尋ねた質問で、「とても信頼している」「だいたい信頼している」と答えた人の割合を合計して比較した。中国の首位はポータルサイト。以下、企業のホームページ、報道機関のサイトとネットメディアが続いた。日本は新聞、企業ホームページの順だった。


メディア信頼度


(3)仕事・学業でのネット活用
 仕事や学業のために、ネットを使って毎日頻繁に行っていることを聞いた。日中ともに「検索エンジンの活用」が首位だが、中国は日本に比べ利用者の多さが際立っている。日本では仕事・学業目的ではほとんど使われていない「チャット」が、中国では2番目によく利用されている。


仕事・学業でのネット活用


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■「日中比較・20代のメディア利用」記事一覧
(1)ネット依存強い中国、日本はネット+TV併用
(2)信頼度、中国ではポータルが首位
(3)利用時間帯、ネットで日中に違い



日中比較・20代のメディア利用(1)――ネット依存強い中国、日本はネット+TV併用

 日経メディアラボと清華―日経メディア研究所(北京)は、日中の20代のメディア利用実態を比較した調査結果をまとめた。「中国=ネット依存型、日本=ネットとテレビ併用型」といった傾向の違いや、メディアに対する信頼度の違いなどが明らかになった。(8月6日付の日本経済新聞朝刊にも記事)



 調査は2007年5―7月、日中の大都市(東京、大阪、北京、上海)に住む二十代男女を対象に実施。ネット調査会社のヤフーバリューインサイト(日本)、インフォブリッジ(中国)の協力を得てアンケートを集め、千二百の回答をもとに分析した。


(1)メディア利用時間
 平日の一日当たりの平均時間を比較した。中国はパソコン(メールやウェブ)利用時間が突出、日本はネットとテレビがそれぞれ長い。中国は携帯の通話時間が長いのも特徴的だ。「決して中国の通話料金が安いわけではない」(崔保国・清華―日経メディア研究所所長)にもかかわらず、日本に比べ2.5倍になっている。=グラフをクリックすると大きくなります


メディア利用時間


(2)パソコンでのネット利用
 利用頻度を尋ねた設問で「毎日頻繁に使っている」「たまに使っている」と答えた人の割合を合計して比較した。「検索エンジンの活用」「ブログ・掲示板の閲覧」は日中とも多いが、中国では「チャット」利用者の高さが目立つ。一方、日本は「ネットオークション」が中国を上回った。


パソコンでのネット利用


(3)携帯電話でのネット利用
 中国ではSMS(電話番号をアドレス代わりにする簡易メール)とゲームの利用が多い。日本は電子メールに加え、携帯サイト閲覧と写真撮影の利用者が多いのが特徴だ。


携帯電話でのネット利用


(4)ニュースを知るメディア
 日中とも首位はニュースサイト。日本はテレビがニュースサイトとほぼ同水準の高さになった。中国では「会話の口コミ」「ネットの口コミ」がどちらも高く、リアル、ネットを問わず口コミを重視していることが分かる。


ニュースを知るメディア




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■「日中比較・20代のメディア利用」記事一覧
(1)ネット依存強い中国、日本はネット+TV併用
(2)信頼度、中国ではポータルが首位
(3)利用時間帯、ネットで日中に違い


 


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