2006年12月16日土曜日

「来年は分身を使いコミュニケーション」

Media_1 日本経済新聞社の研究機関、日経メディアラボは15日、2007年のメディアについての展望をまとめた。ブログ(日記風の簡易型ホームページ)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の日記を通じて、自分の体験や考え方を表現する経験を繰り返す消費者がブログなどの個人メディアを自分の「分身」=イメージ写真=として意識するようになると予測している。




















「メディア予測2007」はインターネットの利用者がブログやSNSの日記を頻繁に使い込んでいるうちに、利用者自身の価値観や性格などのパーソナリティーがブログなどに反映されて「分身」のように機能すると指摘する。





日記などに寄せられたコメントに受け答えをするといった「分身」同士のコミュニケーションは企業が開発した新製品の評判、政府や自治体の政策への評価など幅広いテーマを含むと分析。「分身メディア」が発信する個々のコンテンツ(情報の内容)が持つ価値は小さいものの、大量のコンテンツが織り成す「コンテキスト」がブログ解析ソフトなどで把握できるようになり、社会的に大きな影響力を持つようになるとみる。





企業のマーケティング担当者が生活者の消費トレンドを探るために、分身同士のコミュニケーションを分析するほか、マスメディアもネットで本音を漏らす人たちによる「世論」を探る手立てとして、分身によるコンテンツが織り成す「コンテキスト」に着目すると予想。分身が過去にどんな情報を発信していたのかの記録、分身同士の結びつきなどのデータを参考にして、コンテンツの脈絡を読み取り、必要なコンテンツを選び出す「イイトコどり」エンジンの開発も進むと見ている。


 


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2006年12月2日土曜日

東大・九電が福岡で大規模センサーネット実験

東京大学と九州電力は2007年春をめどに、人体に装着したセンサーなどを使った情報網から脈拍や体脂肪率などの健康に関連したデータを収集し、医師らが健康増進を支援するサービスの実証実験を始める。九州大学病院など福岡市内の病院も実験に参加し、糖尿病患者らの健康管理を後押しする。実験が成功すれば、世界最大規模の実用的なセンサーネットワークの構築事例になる。



























東大の須藤修教授らの研究チームによる「健康管理センサーネット福岡実証実験」(仮称)には、九電や九大のほか、沖電気工業や福岡県も加わる予定。九州電力は情報処理子会社のキューデンインフォコム(福岡市)がデータセンターを提供。福岡県は高速通信網の「ふくおかギガビットハイウェイ」を通信インフラとして開放する。





実験は文部科学省の「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」事業の一環。爆発的に増え続ける情報をセンサーネットの技術などで処理し、健康増進や予防医学の分野で役立てるようにする。九電側は糖尿病患者向け健康管理サービスの実用化を視野に実験に参加。「08年をめどに事業化する」(キューデンインフォコム)との目標を掲げる。





須藤教授は1日、情報処理学会や人工知能学会などによる「情報社会のデザイン」シンポジウムで講演し、現在、固まっている実験の概要を明らかにした。センサーを使ったコンピューターの情報網で健康データを管理し、病院の主治医やフィットネスクラブのインストラクターから助言を受けられる環境を整える。同様の実験は首都圏で展開する可能性もあり、KDDIと連携し、センサーチップを搭載した携帯電話を使って日々の健康データを集める構想もある。個人情報の保護や地域ぐるみで健康データを活用する場合のルール作りなども研究課題だ。





センサーを使って、健康データを収集する試みは、米スポーツ用品最大手のナイキと米アップルコンピュータが共同開発した「Nike+iPod スポーツキット」の例がある。センサーを内蔵した運動靴とメモリーを搭載した携帯音楽プレーヤーからランニングの履歴を収集・蓄積し、走行距離や消費カロリーなどのデータを管理して健康増進に役立てるウェブサービスを提供している。





東大などの実験プロジェクトは体温や脈拍、体脂肪など各種の健康データをセンサーで計測し、センサーネットで管理する本格的な健康増進システムになる予定。「アップルとナイキはグローバルにデータを集め始めており、先を越されたが、福岡での実験は地域に密着して取り組む」(須藤教授)としており、糖尿病発症の地域格差なども調べられるという。



























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