2006年10月5日木曜日

楽天社長、メディア観を大修正 動画は「想定外」

Ceatec_1 楽天の三木谷浩史社長=写真= は4日、情報技術(IT)機器の見本市「CEATECジャパン2006」で講演した。「10年後のメディアは変化する。今までの延長線上にない発展を遂げる」と指摘。メディア戦略に関する説明は大半をCGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)への対応策に割いた。映像コンテンツ(情報の内容)については、動画投稿サイト「YouTube」の登場などを引き合いに「この分野では想定外のことが起きている」と述べ、1年前にTBSとの経営統合を画策した経営者と同一人物とは思えないほど、メディアに対する見方を修正していた。



三木谷社長は「楽天の成長戦略とインターネットビジネスの今後」をテーマに講演した。ネットで商品を売りたいと考える人が簡単に仮想商店街でネット店舗を開設できるインフラを提供してきた実績を踏まえ、自社を「UGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)の走りのような会社」と強調した。仮想商店街でショッピングをした顧客が商品についての感想をネットに書き込む「レビュー」記事が750万件あることにも言及し、「ミクシィのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も一応やっており、強くはないが、CGMはやっている」と述べた。





楽天が2005年10月にTBSとの経営統合を目指し、同社株を買い増した「騒動」から1年が経過した。当時はテレビ局が抱える動画コンテンツに着目し、自社サイトの集客に活用する戦略を描いていたが、TBS側との交渉は難航し、目に見える成果はでていない。市場には交渉の長期化で楽天のメディア戦略が行き詰まったと映り、同社の時価総額は急減している。





このほど三木谷社長は米国を訪れ、シリコンバレーのベンチャーキャピタル関係者らとの意見交換を重ね、ネットビジネスの将来について考えたという。映像メディアについては「動画はすごいスピードで展開している」との認識を深め、4日の講演でも「ファイルシェアリングで、無料でコンテンツを見られる。それが一般的になっている。動画配信でもうけるのは難しい状況だ」と米国の現状を分析して見せた。日本のメディアについても「テレビ中心だが、3-5年後には変わっていく」との見通しを示し、テレビ局の支配への関心が薄れている様子をうかがわせた。













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