2006年8月11日金曜日

日本のコンテンツ、世界での浸透ぶりをアピール――「世界コスプレサミット2006」から

2006_1 日本のマンガ・アニメ文化をテーマに、世界のコスプレーヤーが頂点を目指して競う「世界コスプレサミット2006」が8月5日、6日の2日間、名古屋市内で開催された。各地の予選を突破した9カ国22名のコスプレーヤーが自慢のコスプレ姿を披露、日本発コンテンツの海外での人気ぶりをうかがわせた。



このイベントはマンガ・アニメ文化を通じた国際親善を目的にテレビ愛知が企画したもので、今年で4回目。今回から、ポップカルチャーによる海外との交流に取り組む外務省や、外国人旅行者の訪日を促進する「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開している国土交通省が後援している。特に外務省は、優勝者に外務大臣賞を授与したほか、審査員として職員を派遣するなど、積極的な協力姿勢を見せた。


Cos2_2 初日には「名古屋のアキバ」の異名を取る大須で夏祭りに合わせたコスプレパレードを敢行。2日目に各チームがコスプレでパフォーマンスを行い、世界一を決める「チャンピオンシップ」を東区の立体型庭園オアシス21で開催した。見事優勝したのは、兄妹で参加したブラジル代表のマウリシオ・ソメンザリ・L・オリヴァスさん(20)とモニカさん(18)=写真。2人はマンガ「天使禁猟区」に登場する天使の戦いを幻想的に再現して審査員を魅了した。


イベント終了後に行われた記者会見で、マウリシオさんは日本のアニメの魅力を「アメリカのコミックなどと比べると、日本の作品はより現実に近く、その世界に入り込みやすいという面があると思う」と分析した。妹のモニカさんは同じ質問に「だって、日本のアニメは絵がとってもキレイですもの」と笑顔で答えた。


審査委員長を務めた漫画家の永井豪氏は、日本のマンガ・アニメ文化の発展について「マンガは、戦後の貧しい時期に、お金をかけなくても創り出せるエンターテインメントとして急激に発展した。このコストをかけずに創造できる、という側面が、作家の個性を生かした現在の多様なマンガ・アニメ文化につながったのではないか」と述べた。また、日本のコンテンツが各国で受け入れられている理由について「実写の作品だと、外国の俳優が演技をしていればそれは外国のもの、と思ってしまうが、マンガやアニメだとそれがない。多くの国の子供が、日本の作品を『自国のオリジナルだ』と信じている」と語り、マンガ・アニメなどのコンテンツには国境がないことを強調した。


また主催者でこのイベントを企画した担当者は「予選会のために世界各地を回ったが、みなネットを通じて日本でどのような作品が公開されているか、最新の動きをキャッチしている。そういう意味での『時差』は感じなかった」と話す。以前は日本のコンテンツ、というと「ドラゴンボール」「セーラームーン」「ポケットモンスター」といった、どちらかというと低年齢層向け作品が圧倒的な存在感を誇っていたが、最近はそれらを見て育った世代が青少年向けのコンテンツを求めるようになり、人気作品はより多様化する傾向にあるようだ。マンガ・アニメに加えゲームに登場するキャラクターの人気も高まっているという。



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