2007年3月23日金曜日

慶大DMCなど、政府のコンテンツ政策担当者と討論

070320
 慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC)、コンテンツ政策研究会、日経メディアラボは3月20日、コンテンツ産業に関連した政策を共同研究する「第8回クリエイティブ産業政策フォーラム」を慶大三田キャンパスで開いた。「総括、日本のコンテンツ政策~政策担当者に聞く」をテーマに、総務省、文化庁、経済産業省、内閣官房の担当者を招き、現在のコンテンツ政策について討論した。



 



<パネリストは以下の通り>


  • 小笠原陽一・総務省コンテンツ流通促進室長

  • 川瀬真・文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室長

  • 小糸正樹・経済産業省文化情報関連産業課長

  • 杉田定大・内閣官房知的財産戦略推進事務局参事官

  • 金正勲・慶應義塾大学DMC機構 助教授(コーディネーター)


 まず各省庁のコンテンツ政策についてパネリストが順番に説明した。総務省・小笠原氏は「テレビ番組などをDVDやインターネット配信など向けに再利用するマルチユースについては、テレビ局各社がそれぞれ考えているので、各社の方針に任せる」と、民主導でコンテンツの流通を促進することを説明。文化庁・川瀬氏は「コンテンツの流通を促すには著作権法改正で著作物に対する権利を引き下げるべき、という意見も一部の人々から出ているが、流通はビジネスの話。著作権法ではなく契約で対処する問題だ」と文化庁のスタンスを話した。




 経産省・小糸氏は「コンテンツの市場規模は世界的に拡大しているなか、国内市場は頭打ち。成長のカギは海外進出にある」として、東京国際映画祭を活用した映画の国際取引市場づくりの取り組みなどを紹介した。内閣官房・杉田氏も「関連業界の近代化・合理化を進めたり、世界中の人材やコンテンツが日本に集まるようにして、世界で勝負できるコンテンツづくりを目指す」と語った。




 その後の会場参加者との質疑応答では、「情報通信省」設立構想についての質問に対し、「我々(今回参加した4省庁)は見た目以上に仲良くしている。一緒に働くのは問題ない」(経産省・小糸氏)との声がある一方で、「産業政策をやる組織が著作権をいじるといびつな制度になる危険がある。著作権関連は統合すべきではない」(文化庁・川瀬氏)といった温度差を感じさせる場面もあった。



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