2008年5月30日金曜日

「仮想空間サービス、10年で100倍に」セカンドライフの創始者が講演

08052901_3 仮想空間サービス「セカンドライフ」を運営する米リンデンラボの創業者で会長のフィリップ・ローズデール氏が29日、都内で講演した。仮想空間サービスの発展に自信を示すとともに、新たな技術開発によって新規ユーザーの獲得をねらう考えを明らかにした。



 東京ビッグサイト(東京・江東)で28日から開かれている「Virtual World Conference & Expo 2008」の基調講演者として登壇したローズデール氏は、今月15日にCEO職をネット広告企業出身のマーク・キングドン氏に譲ったばかり。日本で講演するのは初めてとあって、多くの聴衆が会場につめかけた。


 ローズデール氏は、仮想空間サービスは今後10年で100倍に成長する、とその将来性に自信を示した。仮想空間の現状を1995年ごろのインターネットになぞらえ「当時インターネットは使いにくいとか、必要な情報がどこにあるのか分からない、といった不満が多かったが、今や社会に欠かせないものになった」として、まだこのビジネスが成長の初期段階であることを強調した。


 「セカンドライフは、まだEコマースの段階ではない」とも指摘した。現在は多くのユーザーが楽しさを求めて集まっている状態であり、次のステップとしては教育での利用に期待しているという。すでにセカンドライフ内の土地を最も多く所有しているのは教育機関だ、と明かした。その次にねらうのは企業内の利用であり、最終的に、企業が仮想空間をビジネスに活用して成長できるフェーズに至る、というのがローズデール氏の描く将来戦略だという。


 今後は技術的な課題に取り組み、ソフトウエアをダウンロードせずに仮想空間を楽しんだり、情報を簡単に検索したりできるようにしたいと話した。また日本市場もにらんで、携帯端末でどのようなサービスを展開できるか検討中という。


08052902_2  この講演はセカンドライフ内でも中継され、仮想空間に設けられた講演会場から質問も受け付けた。「セカンドライフ内の人口が減っているのでは」という質問が出ると、ローズデール氏は「試しに登録してみて、そのあとも継続してユーザーとなる人は1割程度。去年は急激に登録者が増えたので、その分落ち込んでいるようにも見えるのだろう」と説明。上記のような技術開発を進めることで、より多くの新規ユーザーが手軽に仮想空間に入れるようにしたい、と語った。


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