2008年10月13日月曜日

日中比較・北京五輪のメディア利用(1)――中国20代、普段はネットでも五輪はテレビ

 中国都市部の20代、普段の情報収集はテレビよりインターネットだが、北京五輪に関してはテレビ中継を熱心に見ていた――。日経メディアラボと中国の清華大学、東京大学の共同調査で、こんな中国の若者のメディア利用傾向が浮かび上がってきた。(10月13日付の日本経済新聞朝刊にも記事)



(↓グラフをクリックすると拡大します)


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 なかでも開会式への関心が極めて高く、回答者の88%が「テレビ生中継を(録画でなく)リアルタイムで見た」と答えたほか、印象に残っている出来事を挙げてもらう設問でも94%が「開会式の演出」と回答した。日本では「少女の歌声が別人だった」などの点が話題になったのと異なり、中国では「聖火の点灯シーン」をはじめ好意的に受け止められている。


 普段のメディア利用時間(1日当たり平均)で見ると、中国の20代はネットが中心(ネット40%、テレビ23%)。スポーツ情報に限っても普段使うメディアはネットが47%と、テレビの35%を上回っている。北京五輪に関してはテレビが67%に上昇し、ネットが26%と逆転した。


 調査は北京五輪閉幕後の8月下旬にインターネットを使ったアンケートを実施。日中の大都市(東京、大阪、北京、上海)に住む20代の男女ネット利用者計1200人から回答を得た。


日本の20代、「パソコンや携帯を使いながらテレビ」


 日本の20代は、普段でも五輪関連でも情報収集はテレビ中心。中国と異なりテレビのスポーツニュースを利用して手早く情報収集する人が目立った。印象に残っている出来事では「競泳の北島康介選手の金」(71%)、「ソフトボール日本代表の金」(65%)など、自国の選手の活躍が上位を占め、「開会式の演出」は21%にとどまった。


 また「テレビのスポーツ中継を見ながらパソコンを使う」人が55%、「テレビのスポーツ中継を見ながら携帯電話を使う」人が40%を占め、日本の20代に特徴的なメディア利用法であることが分かった。 


 崔保国・清華大教授の話 中国で開会式に注目が集まったのは、中国初の大規模国際イベントということで、スポーツ観戦に関心がない人も巻き込んだからだろう。北京では開会式当日が休日になったため、家族そろってテレビの前に集まった家庭も多かったようだ。


 橋元良明・東大教授の話 パソコンや携帯電話をいじりながらテレビを見る傾向は、日中ともに今後もさらに顕著になるだろう。今後は送り手側もテレビ、パソコン、携帯という3つのメディアを有機的に関連させながら情報提供することが重要になっていくだろう。



>>続き 日中比較・北京五輪のメディア利用(2)――大イベントでは依然強いテレビ



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