2005年7月9日土曜日

日本の家庭は5件に2件がブロードバンド

bb2 日本の家庭の5件に2件はブロードバンド(高速大容量)通信を導入--。総務省が8日発表した2005年3月末のブロードバンド契約数は1951万件で、世帯数から見た普及率は39.1%に達した。1年前の2003年度末時点と比べ、契約数は3割増加した。3カ月ごとの集計としては、1-3月期に初めて光ファイバーによる高速接続(FTTH)契約の増加数がADSL(非対称デジタル加入者線)を上回った。




ブロードバンド通信は急速な料金低下に伴い、普及が進んだ。一般家庭の世帯普及率が4割近くになり、日本は米国、中国に次ぐ規模のブロードバンド通信市場を形成している。FTTHの本格普及が始まり、各家庭から豊富な情報を受発信できる環境が整うことで、今後は映像コンテンツ(情報の内容)を使ったコミュニケーションも活発になるだろう。ブロードバンドを前提とした多様な新ビジネスが登場しそうだ。





総務省が6月にまとめた2005年「情報通信に関する現状報告(情報通信白書)」はブロードバンド契約数を国際比較し、日本は03年時点でトップの米国に次いで2位になっていると指摘している。米国の調査会社、eマーケッターによると、04年時点では中国が日本を抜き去り、日本は3位に後退している。世帯普及率を見ると日本は韓国には遠く及ばないものの、米国や中国、フランスなどよりは高い水準になっている。





今後のブロードバンド普及については複数の調査会社による予測がある。野村総合研究所は2009年度末に約2900万件に達すると見ている。富士キメラ総研(東京・中央)は10年末の累計契約数が4220万件になると予測する。矢野経済研究所はやや堅めに10年度末に約3825万件という予測値を挙げている。いずれにしても4-5年後にはブロードバンドは各家庭で当たり前のように利用されるという状況になるようだ。





矢野経済研究所が4月にまとめた「2005年度版ブロードバンド回線市場の動向調査」は「今後利用したいサービス」をネット調査で約1000人に聞いている。インターネット放送や動画配信サービスといった映像系サービスを挙げる回答(複数回答)が40.2%にのぼり、ブロードバンドを導入して家庭で映像コンテンツを楽しみたいとの利用者の意向が強まっていることが分かった。





インプレスの「インターネット白書2005」によると、映像配信サービスの契約をしているブロードバンド利用者はまだ少なく、光ファイバー利用者の中の2.6%に過ぎない。ただ、パソコンにブロードバンドを使って映像コンテンツを「放送」するUSENの「GyaO(ギャオ)」は4月のサービス開始から2カ月余りで100万人の会員を集めたという。視聴は無料とし、CMを収入源する同社の新事業はCS放送の映像を利用しながらプロ野球の試合を生中継するなどテレビに近い業態になっている。



「これからはアップロード(送信)も重要という時代に入る」。東日本電信電話の高島元副社長は6月9日、千葉市内で開催された展示会「インターロップTOKYO2005」で講演し、今後のネット環境の変化についてこう指摘した。FTTH中心のブロードバンド化が本格的に進むことを強調したものだ。ADSLはコンテンツをダウンロード(受信)する用途を中心に想定したサービスだったがが、FTTHが普及することで、通信の「上り」も「下り」も高速大容量化する環境が整う。




通信の専門家からは高速大容量の情報発信が可能になるのに伴い「個人ユーザーが動画コンテンツを送信する『誰でも放送局』が実現する」(情報通信研究機構の寺崎明理事)、「テキストの分野で起きたブログ(日記風の簡易型ホームページ)の普及が動画の分野でも起こりうる」(KDDI研究所の浅見徹所長)との見方が出ている。「音声版ブログ」ともいわれるネットの簡易型ラジオ放送「ポッドキャスティング」を楽しむ人が日本でも登場しており、この流れでブームが続けば「ビデオブログ」が普及する可能性も小さくはない。




























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