2008年4月24日木曜日

twitterに日本語版、広告事業を展開

 米トゥイッター(本社カリフォルニア州)は4月23日、ミニブログサービス「トゥイッター(twitter)」の日本語版を公開した。英語版には無いバナー広告の掲載スペースを設けており、資本・業務提携しているデジタルガレージを通じて日本で広告事業を展開する。



写真上は日本語版のトップページの例、写真下は英語版
��写真上は日本語版のトップページの例、写真下は英語版=クリックすると大きくなります)



 同日、デジタルガレージなどが都内で開いた会見によると、英語版ではまだ広告を掲載しておらず、日本を広告事業の実験場にするという。デジタルガレージ子会社のCGMマーケティング(東京・渋谷、林郁社長)が広告営業を担当。日本語版もサイト運営自体は米トゥイッターが担当する。


 まずトヨタ自動車、エン・ジャパン、トゥイッター関連本の出版社の広告掲載を始めた。トヨタ自動車は自社の自動車情報サイト「GAZOO.com」の更新状
況をトゥイッター内で配信している(トゥイッターの投稿の表示によると、RSSを使って更新情報をトゥイッターに自動投稿するサービス「twitterfeed」を利用しているとみられる)。


 今後は、モバイル版サービスの追加や、トゥイッター日本語版と他社のウェブサービス(例えばグーグルの地図サービス)と組み合わせたサービスの開発など、新しい広告メニューを追加していく。


 トゥイッターは外部の人々が自由に関連サービスやソフトを開発でき、利用者もそれを自分で組み合わせて使えるのが人気の要因の一つだが、「関連サービス・ソフトを通じてトゥイッターを使っている人はバナー広告を見ないのでは」と指摘する声もあり、日本で広告事業を展開しながら課題解決に取り組んでいくという。





(参考:日本語版公開を報じた主なニュース記事)
「広告モデルの実験にも期待」・ツイッター日本語版オープンで会見(NIKKEI NET)
Twitter日本語版スタート トヨタが広告出稿(ITmedia)
Twitter日本語版サービスが開始(Impress Watch)
Twitter、日本人率は4分の1以下(ASCII)



2008年4月23日水曜日

Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」、利用者数が1年で2.7倍に――ネットレイティングス調査

 インターネット視聴率の調査会社、ネットレイティングス(東京・渋谷、萩原雅之社長)は4月22日、2008年3月のインターネット利用動向調査の結果を発表した。CGMの一分野である「Q&Aサイト」の利用が急増。ヤフーの「Yahoo!知恵袋」の月間利用者数が前年同期比2.7倍の1261万人、NTTレゾナント(東京・千代田)の「教えて!goo」も同1.5倍の781万人になった。



 調査は家庭のパソコンからのアクセスが対象。萩原社長は「昨年2月にもQ&Aサイトの成長に注目したデータを公表したが、その後も予想を超えるスピードで拡大している。米国と比べて利用率が高いことから、日本人好みのサービスともいえそう」と分析している。


(ネットレイティングスの発表内容はこちら↓)
成長著しい知識・情報共有サービス、「Yahoo!知恵袋」の利用者数は1年で2.7倍に(2008年4月22日)
「教えて! goo」、「Yahoo! 知恵袋」が急成長、利用者が共に初の400万人超え(2007年2月22日)


◇ ◇ ◇

 日経メディアラボは2007年11月に実施したネット利用者アンケート(20―50代の男女計1000人)で、各種CGM(ブログ、SNS、動画共有サイト、掲示板、クチコミサイト、Q&Aサイト)の閲覧頻度の変化を尋ねたことがある。そのときの結果によると、回答者のうち22.6%が「Q&Aサイトの閲覧が1年前に比べて増えた」または「1年前に比べてやや増えた」と回答。動画共有サイト(46.9%)、SNS(38.3%)、ブログ(32.2%)ほど多くはなかったが、クチコミサイト(22.3%)、掲示板(21.6%)を上回る勢いをみせている。


2008年3月28日金曜日

シンポ「メディア利用の変化にどう対応していくのか」(1)

左からヤフーバリューインサイト・西部氏、大日本印刷・中島氏、電通総研・藤井氏
 日経メディアラボは3月12日、「メディア利用の変化にどう対応していくのか」と題したシンポジウムを都内で開催した。メディア利用に関する調査研究を手掛けている電通総研(東京・港)と大日本印刷、日経メディアラボと共同調査をしたヤフーバリューインサイト(東京・港)からパネリストを招き、人々のメディアの使い方の変化に対する見解や、その背景などについて討論してもらった。



(写真は左からヤフーバリューインサイトの西部君隆氏、大日本印刷の中島良彦氏、電通総研の藤井良彦氏)






………………………………………………………………


▼この日の登壇者は以下の通り。
・電通総研取締役・藤井良彦氏
・大日本印刷C&I事業部マーケティング情報開発室室長・中島良彦氏
・ヤフーバリューインサイト リサーチ&コンサルティング本部リサーチャー・西部君隆氏
・日経メディアラボ研究担当部長・種村貴史
(司会は日経メディアラボ所長・坪田知己)


 シンポジウムではまず(1)日経メディアラボとヤフーバリューインサイト、(2)大日本印刷、(3)電通総研の順で、各社の調査結果や見解を紹介した。


「ネット利用、”読むだけ”の人々が増加」


 日経メディアラボとヤフーバリューインサイトは、20~50代の男女ネット利用者を対象に2007年11月末に実施したネット調査の結果を説明した。
(→詳しくは日経メディアラボ「2008年のメディア予測」)


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 CGMの活用度の違いによって、利用者を5つのグループに分類。今後はサイトを閲覧するだけの「ROMマジョリティー」層が増えていく可能性を指摘した。「情報受発信族」「ブロガー」の中からネット上での情報発信に疲れたり飽きたりした人が「ROMマジョリティー」に流入する一方、調査時点で最も多かった「情報未活用族」の中からもITリテラシーが上がって「ROMマジョリティー」に”昇格”する――というシナリオだ。


 日経メディアラボでは過去の別の調査の結果から、「インターネットの普及により、自分の欲しい情報を自分で収集し、自分からも積極的に情報発信する人が増えていく」という仮説を立ててきたが、今回説明した調査では逆の結果が出た。


「コミュニケーションする生活者・しない生活者」


 大日本印刷・中島氏は2001年から続けている「メディアバリュー研究」を紹介した。生活者が買い物をするときの情報収集に焦点を当てて、インターネットやテレビ、新聞、折込チラシなどの使い分けなどを調べている。
(→詳しくは大日本印刷「メディアバリュー研究」)


 ここ2~3年の新しい傾向として、「コミュニケーションする生活者としない生活者が二極分化してきた」ことを指摘。インターネットの口コミサイトやSNSの登場やメーカーサイトの拡充などで情報収集の選択肢が広がった反面、情報が氾濫するなかで自分に入ってくる情報を自分で制限する生活者が登場してきたという。


 ただ、商品分野によって情報収集のタイミングや方法が異なるうえ、同じ生活者でも関心を持っている商品と持ってない商品では情報収集が異なる。例えば洋服に関心のある人は店頭で店員から聞いた情報で購入を決定し、関心ない人は家族のアドバイスで決める。パソコンに関心のある人は購入前にインターネットで比較検討し、関心ない人は店頭で店員の話を聞いて選ぶ。


「メディアに対して能動的なシニア・受動的な若者」


 電通総研・藤井氏は世代によるメディア利用の違いに着目。おおよそ昭和43年(1968年)生まれを境に、それより上の世代はメディアに対して能動的に接触するが、下の世代はメディアを環境の一部として受動的に接触していると指摘した。さらに、おおよそ22歳以下の世代は、子供のころから携帯電話やパソコン(インターネット)が身近にあり、上の世代とのメディア体験に大きな違いがあるとした。

(藤井氏のその他の発言要旨)
・世代が若くなるほど、メディアに「正しいこと」よりも「自分にとって楽しいこと」を求めている。年齢の高い世代はニュース=世の中の動きだが、若者にとってはニュース=自分の関心があることに関する最新情報。ニュースを読む媒体の違いだけでなく、ニュースの中身から異なっている。

・世代にかかわらず、以前は1対1だった生活者とメディアの関係が変化。電通総研の調査で「テレビを見ながらネットをする」人が8割近くを占め、1人が同時に複数メディア(平均3.83)と接触するのが基本になっている。ネットとテレビは敵対する関係ではない。

・メディアのビジネスモデルについては、ロングテールの需要を満たすサービスは少数のマニアから利用料を受け取る完全有料モデル、対極にあるショートヘッド(マス)のサービスでは無料モデル、と二極化が進む。課金と広告収入を併用するメディアは有料モデルか無料モデルに移行する必要が生まれる。

・情報はあって当たり前のもの、特別なものではなくなった。情報のコモディティー化(日用品化)が進むなかでは、情報の中身よりも「パッと見て面白いかどうか」が重要だ。典型的なのはテレビで流行っているIQクイズ番組。いかにも答えられなさそうなタレントが難しい漢字を読めたり、大学の先生が単純な計算を間違えたりする様子を面白く組みあわせて間を持たせるところがコモディティーとしてのテレビの強みだ。



2008年3月6日木曜日

「地域社会にガッチリ食い込む」――河北新報のSNS「ふらっと」

河北新報社の佐藤和文氏
 東北地方でブロック紙を発行する河北新報社(仙台市)のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「ふらっと」が来月、開設1周年を迎える。地域密着型のSNSが全
国各地に登場しているが、新聞社がSNS運営に乗り出す事例はまだ珍しい。河北新報社の佐藤和文メディア局次長兼ネット事業部長=写真=に、新聞社がSNSを運営する狙いやメリット、「ふらっと」の現状などを聞いた。



――「ふらっと」の現状は


 2007年4月17日にオープンし、約3000人が会員登録している。SNSの中で120~130のコミュニティー(会員が自由に設置できるテーマ別の掲示板)が設置され、毎日約30本の「ブログ」(注・外部のブログ開設サービスではなくミクシィ、グリーなどの「日記」にあたる機能)が更新されている。SNS開設当初は1万人を目標に掲げたが、運営してみると、今の規模で十分ではないかという実感もある。


 1000万人を超す人々がミクシィを利用する時代だが(2008年1月末時点のミクシィ会員数は1333万人)、自社でSNSをやってみると「SNSの使い方が分からない」という人が結構多い。「SNSのことはよく知らないが、河北新報が新しいことを始めたから」と、ふらっとに集まってくれた人もいる。当社の運営担当者も「ふらっと」に参加して、一般の会員と一緒にコミュニティーを盛り上げているところだ。


「ふらっと」のトップページ
 公募で選んだ一般の人に自分が住んでいる街のことを書いてもらう「街角ブロガー」(2008年3月5日時点で12人が執筆中)や、SNS内のブログと外部のサイトで書かれたブログのなかから面白いものを選んで紹介する「ブログ交差点」(同3月6日時点で164ブログ)などの企画を展開している。世間には新聞記者よりも専門分野に詳しい人がたくさんいる。その人たちの情報発信を支援することも、新聞社の仕事の一つになっていくのではないかと思っている。

――SNSを始めた狙いは


 (新聞離れが叫ばれるなかで)地方紙が生きていくためには、地域の人々とフェース・トゥ・フェースの関係を築き、地域社会にガッチリと食い込んでいくシナリオをつくっていくことが必要だ。


 まだ紙の新聞の編集局はネット活用に消極的だが、今後、紙面づくりにネットを活用したくなったときに使える環境を整えておきたい。ふらっとの会員でない人もSNSの中のコンテンツを見られるオープン型のSNSにしたのは、そのためでもある。今後は編集局と共同で、時事ニュースについて議論できるようなコミュニティーをつくりたい。


――新聞社がSNSを運営するメリットは


 ふらっと開設前は、いろいろな人から「(利用者が自由に投稿できる)SNSで、投稿が荒れたらどうするんだ」と言われたが、実際には荒れる事態は起きていない。「新聞社が運営しているSNS」というステータスが安全装置として働いているのではないだろうか。


 積極的に地元を盛り上げようと考えている人たちとのつながりを作りやすいのも、新聞社が運営する利点の一つだ。例えば、宮城の日本酒をPRしようという人がSNSのコミュニティーに集まっている。


 新聞社の運営ということで、地元自治体との連携も生まれている。2007年10月から、仙台市がごみ減量のPRに、ふらっとのブログ機能を活用している(「セツコさんのワケル塾」)。自治体にとっても、新たな予算を使わずに済む利点がある。


■関連リンク
ふらっと


2007年12月17日月曜日

2008年のメディア予測――ネット利用「お茶の間テレビ」型に

「お茶の間テレビ」型のネット利用イメージ(イラスト・山根あきひこ)
 日経メディアラボは「2008年のメディア予測」をまとめた。インターネットは個人の情報発信よりも、お茶の間でテレビを見るように「みんなと同じネタでワイワイ楽しむ」使われ方が主流になると予測。ネタを待つ人々が共有できる話題をピックアップして配信するメディアの需要が高まるとみている。(12月17日付の日経産業新聞にも記事)
→詳細はニュースリリースをご覧ください =クリックするとPDFファイルが開きます





(イラスト・山根あきひこ)



 ネット調査会社のヤフーバリューインサイト(東京・中野)と共同で、2007年11月末に20―50代のネット利用者1000人対象のアンケートを実施。性別・年齢層ごとの人数の割合は、日本のインターネット利用者の人口比率にあわせた。回答傾向が似ている人同士をグループ化する「非階層クラスター分析」手法を使い、ネット利用者を5つのグループに独自に分類した。


 ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の日記の執筆に飽きたり疲れたりしている人が増えていることなどを背景に、「自分では情報発信せず、ブログや動画などを頻繁に見るだけ」というグループ「ROMマジョリティー」層が増加傾向にある。今後もこの傾向が続くうえ、ネット活用に積極的でないグループ「情報未活用族」のなかから、ネットを使いこなす力を高めた人が「ROMマジョリティー」にレベルアップしてくると予測した。


 ネットの常時接続サービスの普及を背景に「ネットはテレビと同じような必需品」と考える人が八割を超える一方、「目的なくアクセスすることがある」人も半数を超えており、テレビのように「なんとなくスイッチを入れる」存在になっていくと分析している。



2007年9月29日土曜日

日本の最南端で最先端を試す・八重山毎日新聞社の挑戦

Yaeyama01 産経新聞の「イザ!」や毎日新聞の「毎日jp」など、大手新聞社による読者参加型サイト、いわゆる「web2.0的」なサイトが次々に登場している。こうした取り組みはビジネスモデルや運営方法に未知の部分も多く、その挑戦には大きな覚悟が必要だ。これまでとは全く異なるサイトを構築するため、投資額も相当なものになる。



 だがそれを、開発コストゼロ、しかもたった1人で実現した新聞社がある。「日本最南端の新聞社」を標榜する八重山毎日新聞社(沖縄県石垣市)だ。同社のウェブサイト「八重山毎日オンライン」は、ほぼすべての記事でコメント投稿とトラックバックを受け付け、RSSフィードなども積極的に活用。ワンクリックでソーシャルブックマークサービスへの登録も可能というまさにweb2.0時代の新聞社サイトだ。



 


八重山毎日オンラインの概要


Yaeyama02  八重山毎日新聞社のサイトを開くと、タイトル画面の上に「ようこそゲストさん/ログイン/新規登録」というテキストが並び、会員制サービスであることを示している。記事の閲覧に会員登録は不要だが、会員になるとコメントを投稿できるようになるほか、気になった記事を自分専用のページに保存するなどの機能が利用できる。登録は無料で、特に新聞の購読者でなくてはいけない、といった条件はない。名前とメールアドレス、希望するユーザーIDとパスワードのみの簡単な記入で登録は完了する。


 コメント、トラックバックはほぼすべての記事で受け付けている。関心の高い記事には複数のコメントがつくこともある。また各記事の見出しの下には3つのボタンが並んでおり、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」への登録、自分専用ページへの保存、PDFファイルのダウンロードがワンクリックでできる。なおPDFは新聞紙面のイメージになっているわけではなく、一般的な文書形式になる。


Yaeyama05 トップページには八重山地方の地図が表示されており、記事で紹介している事件やできごとが発生した場所にマークが付けられている。そのマークをクリックすると、記事の見出しや写真が表示され、その記事を読むことができる仕組みだ。地図上で任意の場所を選び、そこでどのようなニュースがあったかを検索することもできる。


 このサイトはRSSフィードを提供しているので、更新情報はRSSリーダーを使って確認できる。「ニュース」のフィードに加え「コメント」のフィードもある。


 全体的には、一般的なブログサービスが提供している機能の多くが盛り込まれていることから、「ブログ風」という印象だ。どこか手作り感がただようデザインもその印象を色濃くしている。


 



 


開発・運用担当者インタビュー


 このサイトの構築・運用を手がける、八重山毎日新聞社メディア統括局の立松聖久氏=写真=に話を聞いた。


 


――サイトを現在の形にした背景は


 2005年3月にリニューアルしたが、それ以前は市販のホームページ製作ソフトを使って更新していた。作業に非常に時間がかかり、かつ複雑で、これをまず効率化したかった。また、過去記事を検索する機能を実装したかったこともある。


――ソフトウエアは何を使っているのか


 自作したものだ。当初、市販のコンテンツ管理ソフトが使えないか検討したが、いずれもオーバースペックだったり、必要な機能がなかったり、とぴたりと当てはまるものがなかった。わが社の規模では何千万円もかけてオーダーメードのシステムを作ることはできない。そこで自作を考えた。自作すれば利用しながら改善したり修正したりすることも容易になる。当時すでにブログがブームになりつつあり、ブログ的なシンプルなものなら自分でも作れそうだし、読者にも受け入れやすいと思い、このような形式にした。


 この自作したシステムに、オープンソースソフトウエアや、公開されているAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)を使って機能を付加している。例えば、各記事ごとに過去の類似記事を自動的に抽出して表示する仕組みがあるが、これは(有)未来検索ブラジルが開発したオープンソースソフトウエア「Senna」をカスタマイズしたものだ。また、記事が紹介している場所を地図上に表示する仕組みは、グーグル社の「グーグルマップ」APIを使っている。


――開発コスト、開発期間は


 自作と無料のオープンソースソフトウエア、APIを使っているので直接的なコストはゼロ。開発期間は約1カ月で、たずさわった人員はデザインまで含めて自分ひとりだ。公開後もひんぱんに修正を行っている。小回りがきくのが自作ソフトのいいところだ。


 システムの小回りがきくことは、地域密着型できめの細かい情報サービスを進めるのにも好都合だ。そもそも、インターネットのサービスは走りながら考えるのが基本だと思う。リクルートや地図情報サービスのアルプスのように、社内にラボを設置し実験的な取り組みを次々行う体制が注目されているが、そうした姿勢が理想的なのではないか。


――現在の閲覧数、会員数は


 1日のページビューは平均して2万ほど。登録会員は4,000名程度だ。当初は登録しないと記事をあまり読めないようにしていたが、まずは読んでもらわないと次の展開も難しい、ということで閲覧は誰でもできるようにした。


 より多くの人に読んでもらうためには、リンクを貼ってもらうことも重要だ。フレーム取り込みなど、別のサイトの一部に見えるような形でさえなければ、どの記事にリンクを貼ってもらっても構わない。「はてなブックマーク」にはワンクリックで各記事を登録できるボタンを用意してある。


 自分のブログに記事へのリンクを貼っているブロガーの大部分は、わが社の報道に対し好意的な人たちだ。そういう人に対し、厳しいリンクポリシーで抵抗感を持たせることは得策ではないのではないか。


――ビジネスモデルはどうか


 地域の新聞社と共同通信社が運営する「47CLUB」から配信されるバナー広告を掲載している。ほかに、グーグルのコンテンツ連動型広告や、アマゾンの成果報酬型広告といった、主に個人サイト向けの広告サービスも組み込んでいるが、これはほとんど収入にならない。現在、独自のバナー広告の設置を検討している。長期的には有料コンテンツの配信なども考えたい。


――今後の展開は


 開発時に副産物的に作った、「島っぷ」というコンテンツはまだ本格的に稼動していないが、読者の方々が地図をベースにさまざまな情報を共有できる仕組みだ。観光で八重山を訪れた人や、新しく引っ越してきた人にこの地方の良さを知ってもらえるようなものにしたい。


 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)にも興味はあるが、この分野では、すでにmixiが多くのユーザーを抱えているので、難しい側面もある。運営にかかわる人員の確保も問題だ。ただ、全国各地で地域ごとにコミュニティーが形成され、それらがゆるやかに連携できるような仕組みがあると面白いのでは、と思う。


 動画コンテンツも視野には入っている。これは、まず素材をどう集めるかが課題だ。それに、ただ動画を一方的に流すのでは面白くもなんともない。youtubeなど動画共有サイトのように、ユーザーが自分のブログに貼り付けたり互いにコメントをしたり、といったような仕組みを考えなくてはいけない。


――全社的な戦略の中で、「八重山毎日オンライン」はどのような位置にあるのか


 1万5000部の発行部数がある新聞事業が、まだビジネスモデルも確立できていないネット事業にとってかわる、という状況は考えにくい。だがわが社の場合、多くの読者が離島に住んでおり、天候によって新聞が届けられないケースがある。そのとき、ネットでニュースを伝えることは必要不可欠だ。そういう意味では、ネットでの事業展開は新聞社としての使命を果たすことだと思う。


 こうした意識は開発段階から経営トップとの間では共有できている。社内でもさらに浸透を図るために、新しい提案を積極的に行っていくつもりだ。


■関連リンク


八重山毎日オンライン


2007年8月30日木曜日

ぐるなび、「おサイフケータイ」使った飲食店ポイントサービス

飲食店に設置した読み取り装置に携帯をかざして使う「ぐるなびタッチ」
 飲食店情報サイトのぐるなびは、携帯電話に電子マネーを搭載する「おサイフケータイ」機能を使った飲食店のポイントサービスを9月3日から始める。飲食店情報サイトの加盟店に専用の読み取り装置を設置。利用者が来店時に携帯をかさずと、その店のポイントがたまり、次回の来店時やポイントがたまったときに割引や特典を受けられる仕組み。リピーター客を増やす販促ツールとして、2007年度に1万店の導入を目指す。



 新サービスの名称は「ぐるなびタッチ」。「おサイフケータイ」機能を搭載した携帯電話を持っていれば、だれでもポイントをためられる。特別な契約やソフトのインストールは不要。当初は、来店した店ごとに別々にポイントをためて使う仕組みだが、将来的にはぐるなび加盟店の共通ポイントサービスも検討していく。


 飲食店がぐるなびに払う導入費用は未定。まず、ぐるなびのサイトに加盟する約6万店のうち、一定条件を満たした1万店を対象に、2007年度中は無料で提供する。「費用は導入効果などを見極めたうえで考える」(久保征一郎社長)という。紙のスタンプカードを用意するよりも手間や費用がかからないメリットを訴えていく。


ぐるなび久保社長
 8月29日に会見した久保社長は「ぐるなびを見て飲食店を訪れた人々の再来店を促す仕組みづくりを5年前から考えてきた。クレジットカードやカード型電子マネー、QRコード(二次元バーコード)など、いろいろ検討してきたが、おサイフケータイの登場でようやくだれでも簡便に使える仕組みができた」と話している。



 今回の新サービスでは、利用者(携帯電話)と導入店、来店時間くらいしか特定できず、利用者の属性や購入履歴などは把握できないが、「導入店は読み取り装置の電源をコンセントに差すだけで手間がかからない」「利用者にとっては携帯でタッチするだけ」という手軽さを優先して割り切ったという。


■関連リンク
ぐるなびタッチの紹介ページ http://www.gnavi.co.jp/gt/


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