2009年5月22日金曜日

視線調査、多人数同時で効率的に(技研公開2009)

Giken204  人が画面のどこを見ているか、視線の動きを調べる「アイトラック調査」は、近年ウェブサイトのユーザビリティーを高めるためにも用いられている。しかしこの調査では統計に必要なデータを収集するのに非常に時間がかかるとされてきた。



 NHK技研は、このアイトラック調査を効率的に行う仕組みを開発した。それが今回展示した、大画面テレビを使って、一度に5人の被験者の視線を同時に調査するシステムである。テレビの下には、眼球の動きをとらえるカメラが5台ずらりと並んでいる。このシステムを使うことで、従来1カ月ほどかけて集めていたデータを、4日で集めることが可能になった。


 NHKではこうして得られたデータを分析し、どのような映像を作れば集中して見てもらえるのか、ノウハウを蓄積している。例えばセットの配置を換えたり、人物の画面内での大きさを変えるだけでも集中度が変わってくるという。


 「特に子供番組の場合、集中しているかどうかで情報の理解度が全く異なる」と担当者は話す。アンケート調査を併せて行ったところ、集中して見ているときは9割近く理解しているのに、集中していない場合は3割程度に留まるケースもあったとのことだ。


 情報を分かりやすく見せる技術はマスメディアのお家芸とも言えるものだが、それがこうした客観的なデータによって裏付けられ、公開されるとネットへの応用も可能になるかもしれない。


0 件のコメント:

コメントを投稿

フォロワー

ブログ アーカイブ