2009年5月22日金曜日

見るべき番組を推薦してくれるテレビ「CurioView」(技研公開2009)

Giken201_2  NHK放送技術研究所がパナソニックと共同で進めている番組のリコメンド(推薦)システムが「CurioView(キュリオビュー)」だ。現在見ている番組に関連した番組のタイトルや一場面を表示し、視聴を促す。



 例えば生放送のニュースを見ていて、中国の製造業のニュースが流れると、画面のサイド部分で中国に関する特集番組、製造業のドキュメンタリーを紹介する、というようなサービスが可能になる。これをオンデマンドサービスと組み合わせることで、視聴者はより深く情報を取得することができる。


 リコメンドは「メタデータ」と呼ばれる、さまざまな番組の付随情報を参照し、その重なり具合(マッチング)によって自動的になされる。最も基本的なのは、電子番組表(EPG)に含まれるテキストを利用するもので、同じ言葉を含む番組をリコメンドする手法だ。ただ、あるドラマを視聴しているとき、推薦されるのがその過去の放送回ばかりでは面白みがないので、すでに見た番組はリストから除外するなどの工夫が必須だという。


 EPGのデータだけでなく、新しいメタデータを番組から抽出する仕組みの開発も進んでいる。例えば、前述のように生放送のニュースをもとにリコメンドを行う場合には、アナウンサーの声を音声認識して文章化し、そこからキーワードを拾う。また、映像を解析し、カメラが切り替わった瞬間や、野球中継で打者がホームランを打った場面などに細かく印を付けておけば、番組単位ではなく場面単位で映像をリコメンドできるようになる。


 「テキストはそれ自体が意味をなしているので検索やリコメンドに適しているが、動画はそれ自体が意味を持っていないため、ひとつひとつ意味を教えていかなくてはいけない。アナウンサーが『次のニュースです』といったらそこがトピックの変わり目になっているとるか、野球中継でカメラが打者から外野に向かって孤を描くように移動したら外野フライかホームラン、という具合に。それは容易なことではない」と担当者は話す。


 そうしたメタデータによるリコメンドに、人気ランキングや、過去の視聴履歴を加味していくことも検討中という。


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